02 類似
 子孫、ホームズぽい探偵、 
 シャーロキアン、ドイル登場
 
 2001-10 【55】
 
 
 
 【子孫】
 
 
『キッド・ピストルズの冒涜』
 
 山口雅也
  (創元推理文庫)
 
 マザーグース・ミステリ連作シリーズ、と紹介されている本格ミステリです。全4作品を収録。シャーロック・ジュニアを名乗る、老齢の探偵士が登場します。ホームズが引退後に、サセックスの漁師に生ませたんだとか……。山口雅也に対しては、時代の一番尖ったところでミステリを書いている人というイメージを持っています。マザーグースからは、クリスティを彷彿とさせられますけど。
 《冒涜》の《トクの字》は、難しいほうの文字。変換しても、出てこない……。
 
 
『13人目の探偵士』
 
 山口雅也
  (東京創元社 創元クライム・ノベル)
 
 過去にミステリ・ゲームブックとして発表されていた作品を、作者自らが小説化した作品。件のゲームブックは数が少なく、ファンの間で高値で取引されていたそうです。この事実に《義憤を感じた》という山口雅也が、創元の戸川編集長のエールを受けつつ、再刊してくれたという本です。パラレル英国ロンドンに登場するは、シャーロック・ホームズ・ジュニア。
 
 
『Dの虚像』
 
 湯川薫
  (角川書店 s)
 
 サイエンス・ミステリ。シャーロック・ホームズを「僕の大叔父」と呼ぶ主人公、サイバー探偵橘三四郎が登場します。Linix、分子生物学、暗号学に精通しているという人物です。そんな彼が本作で挑戦するのは生命の起源という、壮大な謎。さらに、踊る人形の暗号までが……。
 
 
『マスグレイブ館の島』
 
 柄刀一
  (原書房)
 
 近年、本格ミステリ界でもっとも注目されている作家の一人、柄刀一。彼によって現代に蘇ったのは、ホームズ譚に登場する《マスグレイブ館》です。
 まだ未読なのですが、紹介文を読んだだけで十分に僕の本格ミステリファン心は魅了されてしまいました。密室牢獄への墜落死、食べものに囲まれたテーブルの上で餓死していた男、砂浜に延々と足跡を残して断崖絶壁から消えた人間──魅力のある謎ですから、謎解きにも期待してしまいます。
 
 
『ホームズと不死の創造者』
 
 ブライアン・ステイブルフォード
  (ハヤカワ文庫)
 
 25世紀末を舞台に、女性刑事シャーロット・ホームズが、フラワー・デザイナーのオスカー・ワイルドと共に、奇怪な連続殺人事件に挑むSFミステリです。シャーロキアンとしては、ホームズ譚の存在を根底に感じさせるエピソード、ハル・ワトスン警視という登場人物に注目してしまいます。にわかSFファンとしては、英国SFを楽しむことができて嬉しい。
 
   
『ディジタル・ホームズ ミレニアム・ハッカー』
 
 野口幸一
  (ファミ通文庫)
 
 名探偵ホームズの5代目子孫、ヒュー・イブカ・ホームズが登場する《ディジタル・ホームズ・シリーズ》第1作。ホームズの相棒ドクター・ワトスンの子孫に加え、アイリーン・ハドスンという微妙な名前の持ち主まで……。インターネットで毎日更新されている小説が、文庫化したものです。作者の野口幸一という人は、ワトスンの学んでいたロンドン大学で、ヴィクトリア朝時代を専門に勉強していたという、シャーロキアン垂涎の経歴の持ち主です。
 
 
『ディジタル・ホームズ 陰陽師の逆襲』
 
 野口幸一
  (ファミ通文庫)
 
 シリーズ、第2作。前作に引き続いて、ワトスンの子孫であるアル・ワトスン警部補が登場しています。そして彼の上司であり、偉大な警部の子孫でもある? ジョン・レストレード部長も。京都を舞台とした物語では、イブカとネットワークテロリストとの闘いが描かれています。
 
 
『冬のさなかに』
 
 アビイ・ペン・ベイカー
  (創元推理文庫)
 
 副題を、──ホームズ2世最初の事件──と銘打った、本格長編です。主人公の論理学者マール・アドラー・ノートンは、アイリーン・アドラーとゴドフリー・ノートンとの間に生まれた……はずなのですが、実の父親は……という設定です。ホームズとワトスンも登場します。
 
 
『パスワードとホームズ4世』
 
 松原秀行/作
 梶山直美/絵
  (講談社 青い鳥文庫)
 
 電子探偵団シリーズの第5作です。灰色の瞳を持った、推理力抜群の少年が登場します。もちろん彼こそがホームズ4世ことアイザック・エイチくんです。電子探偵団は、テレビのクイズ番組に出演して、アイザックくんの助けを得ながら、優勝を目指します。
 
 
『続・パスワードとホームズ4世』
 
 松原秀行/作
 梶山直美/絵
  (講談社 青い鳥文庫)
 
 シリーズの第6作です。今回も前作に引き続いて、ホームズ4世ことアイザック少年が登場しています。ボクシングはホームズ家の伝統だと言い放ち、悪漢ボディブローを喰らわせています。電子探偵団が取り組む謎は、ホームズ家と海東家に伝わるという秘宝です。
 
 
『ホームズ君は恋探偵』
『緋色のリップスティック』
『4年目のラブサイン』
『消えた卒業証書』
『秘密のラブメッセージ』

 
 北原なおみ
  (講談社X文庫)
 
 ホームズ君は恋探偵シリーズです。この作品に登場するホームズ君こと、志郎・ホームズくんは、イギリス人とのハーフの少年で、シャーロック・ホームズの子孫であると自称しています。そんな彼は転校生で、主人公の和津真理さんが通ってくる学校にやって来ます。そして、彼女が親友と2人だけで作っているいる未公認のサークル、探偵倶楽部《イレギュラーズ》の存在を知ったホームズくんは、サークルに興味を抱いて参加することに。
 登場人物やサークル名、そして作品のタイトルからして、ホームズのパロディ的なものが感じられます。内容は、学園内の謎をイレギュラーズの面々が解いていく、というものです。
 
 
 
 【ホームズぽい探偵】
 
 
『シュロック・ホームズの冒険』
  
 ロバート・L・フィッシュ
  (ハヤカワ文庫)
 
 ワトニイ博士を相棒として、日夜、英国を危機から救わんと闘い続ける《叡知と冒険の人》シュロック・ホームズの活躍を描いた、最高のホームズ・パロディシリーズです。最高のパロディであると同時に、最高のユーモアまで……、このシリーズには言うことがありません。
 シュロックという人物が、英国に与える影響は、本家のシャーロックが与えるものよりも、物理的に甚大です。本当に、面白いですよ。
 
 
『シュロック・ホームズの回想』
 
 ロバート・L・フィッシュ
  (ハヤカワ文庫)
 
 前作『〜冒険』で、宿敵マーティ教授を追い、誤って滝壷に転落してしまったシュロック・ホームズが、見事な復活を遂げます。名豚失踪の事件のために……。
 滑稽で、甚大で、ブラックで、馬鹿で、機知に富んでいて、とんでもなく面白い短篇集です。
 
 
『シュロック・ホームズの迷推理』
 
 ロバート・L・フィッシュ
  (光文社文庫)
 
 シュロック・ホームズの、論理的に破綻した論理的迷推理が楽しめる短篇集です。上記2冊のハヤカワ文庫版に収録されていない作品と、ノンシリーズの短編作品を読むことができます。
 
 
『怪奇探偵小説集5 海野十三集 三人の双生児』
 
 海野十三
  (ちくま文庫)
 
 日本SFの先駆者、海野十三の作品を集めた短篇集。この本が文庫で出版されたとき、古典ミステリが大好きな人間は、またしても日野三蔵がいい仕事をしてくれたと称賛していたことでしょう。
 それにしても、『三人の双生児』という題名の秀逸なことといったらありません。この奇妙さ、恐ろしさ、滑稽さには、編者の日野三蔵も惚れ込んでしまって、この作品集のタイトルに採用したんでしょう。
 シャーロキアンとして見逃せないのは、海野がシャーロック・ホームズをもじって命名した名探偵、帆村荘六の存在です。奇怪な犯罪者と対決する青年は、『振動魔』などの作品に登場しています。
 帆村荘六ものが、まとめて容易に安価で読めるようになるなんて、本当に幸せです。日野さんありがとう。
 
  
『О・ヘンリー ミステリー傑作選』
 
 О・ヘンリー
  (河出文庫)
 
 シャーロック・ホームズのパロディ探偵、名探偵シャムロック・ジョーンズ譚が3篇収録されています。相棒は、気のいいホワッツアプ氏。ロンドンではなく、ニューヨークを活動の拠点としています。
 
 
『シャーロック・ホームズの復活』
 
 ジュリアン・シモンズ
  (新潮文庫)
 
 ホームズの天才に傾倒するテレビ俳優が、現代警察を相手に「空手殺人事件」という難事件の解決を、ホームズの推理法によって成し遂げようとします。現代的な科学捜査に対して、主人公が用いるのはホームズ的な捜査方法のみなのですが、ホームズと自分を比べながら工夫していくうちに、なんとなく本物のホームズが姿を現したかのような雰囲気になっていきます。
 
 
『密室大集合』
 
 エドワード・D・ホック 編
  (ハヤカワ・ミステリ文庫)
 
 ホーカシリーズやハードSFでお馴染のSF作家、ポール・アンダースンによって書かれた、SFのホームズパロディ『火星のダイヤモンド』が収録されています。宇宙船に作られた密室という、SFとミステリの融合した事件を解決するのは、三つ以上の目を持った人間ではない探偵シァロック!
 ホーカ・シリーズにも、ホームズが登場していましたが、やっぱり作者が好きだったからなんですね。
 
 
『しゃべくり探偵』
 
 黒崎緑
  (創元推理文庫)
 
 副題は、ボケ・ホームズとツッコミ・ワトスンの冒険。どこかの悪の首領と名前がそっくりな守屋教授のゼミに入るために、アルバイトを頑張った和戸くん、彼を助ける友人の保住くんが登場します。関西弁の台詞まわしが軽妙な、《正調しゃべくり安楽椅子探偵ミステリ》とでもいうべきシリーズです。
 黒崎緑は、有栖川有栖と同じ同大ミス研出身の作家さんで、ロック好きだそうです。
 
 
『しゃべくり探偵の四季』
 
 黒崎緑
  (東京創元社 創元クライム・ノベル)
 
 安楽椅子物探偵の可能性をとことん追及するという連作ミステリ、《ボケ・ホームズとツッコミ・ワトスンの新冒険》です。ずっと関西に住んでいる僕から見ても、黒崎緑の書き言葉関西弁が持っているリズムの軽妙さは新鮮そのもの。安楽椅子探偵物では、探偵自身が現場に赴くことがなく、会話によって情報を得ることになりますが、その大事な会話で関西弁を使っているというろことに、大きな意義があると思います。舞台が東京、言葉は標準語っていう舞台が多いですからね。
 
 
『ホック氏の異郷の冒険』
 
 加納一朗
  (角川文庫・天山文庫)
 
 謎の英国紳士S・ホック氏の冒険を描いたシリーズ第1作。明治新政府が樹立された日本を舞台に、陸奥宗光を巻き込んだ殺人事件の謎をホック氏が解決します。一応、このホック氏が何者なのかということは秘密なのですが……。 
 
 
『ホック氏 紫禁城の対決』
 
 加納一朗
  (双葉社)
 
 清の時代1891年の中国を舞台に、西太后から依頼された幾多の謎に挑むサミュエル・ホック氏のシリーズ第2作。本作のホック氏は、暗黒組織と死闘を繰り広げます。
 ホック氏シリーズは全3作のシリーズで、もう一作あるはずなのですが、なかなか見つかりません。
 
 
『二人で探偵を』
 
 アガサ・クリスチィ
  (創元推理文庫)
 
 トミー&タペンス夫妻が開いた国際秘密探偵社には、難事件や奇怪な事件が持ち込まれる──そして、おしどり探偵の二人は、ホームズやブラウン神父、隅の老人などの推理法を模倣して、事件を解決してしまいます。クリスティの数あるシリーズの一つで、映像化されています。
 
 
『ペット探偵シャーロック・ボーンズ』
 
 ジョン・キーン
  (ハヤカワ文庫)
 
 ペット捜し専門の私立探偵シャーロック・ボーンズの活躍する物語です。彼の名前は、もちろんホームズにあやかってつけられたもの。サンフランシスコの日常を舞台に、愛犬と一緒の捜査に乗りだします。巻末には、ペット捜しのノウハウ付き。表紙のイラストが可愛く、エピソードも心暖かなものです。
 
 
『名探偵もどき』
 
 都筑道夫
  (文春文庫)
 
 あるときはヴェルベット、あるときはポワロ、あるときは金田一……。変装の名人であり、名探偵になりきってしまうという性癖を持つという、迷惑な旦那さんを抱えた奥さんの視点で書かれた、名探偵パロディシリーズです。もちろんホームズにもなりきっていて、自分の奥さんのことを「ワトスン夫人」と呼んでいます。ポワロの場合には「ヘイスティングス夫人」……。
 
 
  《華麗なる探偵シリーズ》
 
『華麗なる探偵たち』
『クレオパトラの葬列』
『百年目の同窓会』
『さびしい独裁者』
『真夜中の騎士』
『不思議のサロメ』

 
 赤川次郎 
 (徳間文庫)
 
 父親の遺産を狙う叔父夫婦にハメられ、精神病院に担ぎ込まれてしまった芳子は、そこで奇妙な仲間たち──ホームズ、ダルタニアン、エルモン・ダンテス、セルバンテス、ルパンらと出会う。そして、彼らの協力を得た芳子は、探偵業をはじめることにするのだが……。
 日本で一番有名な作家の一人、赤川次郎によるユーモア・ミステリシリーズです。
 
 
 
  《死体シリーズ》
 
『逃げ出した死体』
『逆立ちした死体』
『抱きついた死体』
『夜這いする死体』

 
 山村正夫
  (光文社文庫)
 
 本格ユーモア・ミステリシリーズ、と銘打たれた作品群です。
 事故後の手術によって、突如として素晴らしい推理力を得てしまったホームズこと小泉譲二は、なかなか戻らない過去の記憶に苦しみながらも、精神科医の夕起子をワトスン役として、ユーモラスで奇妙な事件を解決する。
 この死体シリーズ、あと2冊あるはずなんですが……。
 
 
 
 【シャーロキアン】
 
 
『黒後家蜘蛛の会2』
 
 アイザック・アシモフ
  (創元推理文庫)
 
 作者のアシモフがライフワークであると公言する、人気短篇シリーズの第2弾です。1ダースの粒ぞろいの短篇が集められています。ホームズ関係としては、ベーカー・ストリート・イレギュラーズが黒後家蜘蛛の会で話題にあがる『終局的犯罪』が収録されています。ベーカー・ストリート・イレギュラーズの会員であったアシモフは、モリアーティーが書いたという数学の論文「小惑星の力学」について小論を書き、そのアイデアにわれながらほれぼれとしたことから、黒後家蜘蛛の会シリーズの一作品をとして、皆に披露することにしたそうです。
 
 
『QED ベイカー街の問題』
 
 高田崇史
  (講談社ノベルス)
 
 シャーロキアンが、無残にも次々と殺害されるという事件が起こり、その動機であると目されるのが、ホームズ譚の解釈を巡る諍いで……。
 QEDシリーズの第3作です。犯人捜しの本格ミステリであると同時に、物語の中でホームズに関する秀逸な仮説が披露されるという、シャーロキアンならば大喜び間違いなしの作品でもあります。
 
 
『いぬはミステリー』
 
 アイザック・アシモフほか 編
  (新潮文庫)
 
 素人探偵のシャーロキアンが登場する、『ラッフルズ、バスカヴィル家のイヌを追う』が収録されています。この本の目次では、《イヌ》は《犬》とも《いぬ》とも《狗》とも表記されていません。かわりに、一文字程度の大きさに描かれたイヌのイラストが使われています。 
 
 
『シャーロキアン殺人事件』
 
 アンソニー・バウチャー
  (教養文庫)
 
 ホームズ嫌いとして知られる脚本家は、事もあろうことに映画化される「まだらの紐」の脚本家となってしまう。そんな現状を許すことができないベイカー・ストリート・イレギュラーズの面々が、映画会社に非難を浴びせ続けた結果、会社側は妥協案として会員をハリウッドに招待することにする。パーティの席上で大騒ぎを起こした件の脚本家が殺されて、死体が消えてしまうという事件が巻き起こって……。
 シャーロキアンたちが、それぞれの知識を生かして、犯人を追うという小説です。
 
 
『シャーロック・ホームズ殺人事件』
 
 ジェームズ・アンダースン
  (創元推理文庫)
 
 人気作家のジェシカ・フレッチャーは、出席していたパーティーで、ホームズに扮装していた男が射殺されるという事件に巻き込まれてしまいます。そして、容疑者として逮捕されてしまったことから、探偵として事件の真相を追うはめに。『ジェシカおばさんの事件簿』としてNHKで放映されていたミステリシリーズの、ノベライズ第1作です。
 
 
 
 【ドイル登場】
 
 
『名探偵登場』
 
 ウォルター・サタスウェイト
  (創元推理文庫)
 
 天下の奇術王フーディーニ、ピンカートン探偵社の探偵ボーモント、高名な作家であるコナン・ドイルが登場し、探偵としての才を競い合う探偵小説です。フーディーニとドイルという取り合わせは、多くのパロディで使用されている、魅力的なコンビですよね。この二人が揃っていて、幽霊騒ぎが起きないわけがありません(笑)。
 
 
『ポーをめぐる殺人』
 
 ウィリアム・ヒョーツバーグ
  (扶桑社ミステリー)
 
 ポーの作品『マリー・ロジェ』『黒猫』『モルグ街の殺人』が、実際の殺人事件として蘇ってしまうという事件に、コナン・ドイルとフーディーニが挑みます。心霊学の聖パブロと呼ばれることもあるドイルは、なんとポー自身の亡霊と出会ってしまいます。ポーの作品を殺人事件現場に再現してしまうという犯人、というアイデアだけで、勝ち負けでいうところの勝ちとなっている作品だと思います。
 
 
『マーベリー嬢失踪事件』
 
 ピーター・ロゴウ
  (扶桑社ミステリー)
 
 『不思議の国のアリス』で有名な児童文学者ルイス・キャロル。実は彼は、高名な数学者チャールズ・ドジスン氏でもあったのです。この作品では、ドジスン氏が、失踪した友人の娘を捜しだすべく、捜査にあたります。その相棒となるのが、正義感に燃えた若い医師コナン・ドイルです。ドイルを探偵役(ホームズ役)とするのではなく、ワトスン役とするところがなかなかニクイ。史実を織り交ぜた歴史ミステリです。
 
 
『降霊会殺人事件』
 
 ピーター・ロゴウ
  (扶桑社ミステリー)
 
 ルイス・キャロルこと、数学者のチャールズ・ドジソン氏が、作家志望の青年医師コナン・ドイルをポーツマスに訪ねる、という魅力的なシーンからはじまる、名探偵ドジスン氏シリーズの第2作です。探偵役は、数学的な才能を持って事件の解決に挑むドジスン氏で、腕っぷしと明晰な頭脳によってワトスン役を務めあげるのがコナン・ドイルとなっています。
 
 
『コティングリー妖精事件』
  
 ジョー・クーパー
  (朝日新聞社)
 
 映画作品の原案。スマート過ぎ、ハンサム過ぎだと思うのですが、映画に登場するコナン・ドイルを演ずるは、アラビアのロレンスでお馴染のピーター・オトゥールです。ドイルは、少女と妖精が映った写真について興味を覚えるシーンなどに登場しています。
 
 
『リスト・オブ・セブン 上下』
 
 マーク・フロスト
  (扶桑社ミステリー)
 
 19世紀末のロンドンを舞台に、青年医師コナン・ドイルが凄惨な事件の真相を追うという冒険小説です。襲撃者に襲われたドイルを助けるのが、女王直属の特別捜査官という身分を名乗るジャックという人物なのですが、この人がホームズぽい……。ストーカーやヴィクトリア女王なども登場する、いわゆる《バカミス》だと思われます。
 
 
『ドイルと黒い塔の六人 上下』
 
 マーク・フロスト
  (扶桑社ミステリー)
 
 コアン・ドイルが、アメリカを舞台に大活躍する冒険小説シリーズの第2弾です。ライヘンバッハの滝に転落し、還らぬ人となったと思われていたジャックが生きていたのはいいのですが、姿が変わり果てているという、リアルなのかどうなのかよくわからない設定が気になります。ですが、基本的になんでもありのエンターテイメント小説ですから、気にしないほうが身のためなのでしょう(笑)。前作以上のスケールですが、この作品も《バカミス》だと思われます。
 
 
『霊界予告殺人事件』
 
 山村正夫
  (講談社文庫)
 
 臨死体験を経て、霊界へと入り込んでしまった作家が遭遇した霊界で予告殺人、その標的となったのがコナン・ドイル、という小説です。ドイルの他にも、霊界には大勢の探偵作家がいて、クリスティ、ヴァン・ダイン、乱歩、正史らが登場しては、事件の解決を試みる主人公の探偵作家を助けます。
 
 
『ピムリコの怪事件』
 
 ジェイムス・カンサス
  (星雲社)
 
 副題は《ジェイムス・カンサスの事件簿2》です。
 おもいっきりヨーロッパ風な名前ですが、著者近影を見る限り、作者は間違いなくモンゴロイドです。巻末にペンネームの由来や作者本人に関する情報が書かれているのですが、作者が自らの作品が出版されることを心から楽しんでいる節がうかがえます。
 シェルロック・ホームズという私立探偵が『江戸錦が消えた』という事件に登場しています。その他には、エラリー・クエーンという私立探偵が『ニワトコの隣人は蛇の整理屋』という作品に出てきます。
 ジェイムス・カンサスの事件簿シリーズには、あと1作『トカゲ屋敷の怪事件』という本があるようです。
 
  
 
 
 

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