(太字部分は裁判所HP判例集表記のママ)
事件番号 昭和53(オ)69
事件名 損害賠償
裁判年月日 昭和57年03月12日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集巻・号・頁 第36巻3号329頁
 
原審裁判所名 大阪高等裁判所  
原審事件番号 
原審裁判年月日 昭和52年09月29日
 
判示事項 争訟の裁判と国家賠償責任
 
裁判要旨
裁判官がした争訟の裁判につき国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があつたものとして国の損害賠償責任が肯定されるためには、右裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によつて是正されるべき瑕疵が存在するだけでは足りず、当該裁判官が違法又は不当な目的をもつて裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とする。
 
参照法条 国家賠償法1条1項
 
 
主    文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
 
 
理    由
 上告代理人後藤三郎、同大西裕子の上告理由について
 裁判官がした争訟の裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によつて是正されるべき瑕疵が存在したとしても、これによつて当然に国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があつたものとして国の損害賠償責任の問題が生ずるわけのものではなく、右責任が肯定されるためには、当該裁判官が違法又は不当な目的をもつて裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とすると解するのが相当である。所論引用の当裁判所昭和三九年(オ)第一三九〇号同四三年三月一五日第二小法廷判決・裁判集民事九〇号六五五頁の趣旨とするところも結局右と同旨に帰するのであつて、判例抵触を生ずるものではない。したがつて、本件において仮に前訴判決に所論のような法令の解釈・適用の誤りがあつたとしても、それが上訴による是正の原因となるのは格別、それだけでは未だ右特別の事情がある場合にあたるものとすることはできない。それゆえ、上告人の本訴請求は理由がないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。論旨は、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官    栗   本   一   夫
裁判官    木   下   忠   良
裁判官    鹽   野   宜   慶
裁判官    宮   ア   梧   一
裁判官    大   橋       進
 
 
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