(太字は当HP作者による)
事件番号 昭和28(オ)1362
事件名 農地境界査定処分無効確認請求
裁判年月日 昭和30年02月24日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集巻・号・頁 第9巻2号217頁
 
原審裁判所名 東京高等裁判所  
原審事件番号 
原審裁判年月日 
 
判示事項 農業委員会がした農地の境界に関する通知は行政処分か。
 
裁判要旨 農業委員会が農地の境界に関し農地所有者に対してした通知は行政事件訴訟特例法第一条にいう行政処分とはいえない。
 
参照法条 行政事件訴訟特例法1条
 
 
主    文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
 
 
理    由
 所論は、本件通告は行政事件訴訟の対象となる行政処分であると主張する。しかし、行政事件訴訟特例法が行政処分の取消変更を求める訴を規定しているのは、公権力の主体たる国又は公共団体がその行為によつて、国民の権利義務を形成し、或はその範囲を確定することが法律上認められている場合に、具体的の行為によつて権利を侵された者のために、その違法を主張せしめ、その効力を失わしめるためである。
 従つて、特例法にいう行政処分はこのような効力を持つ行政庁の行為でなければならない。しかるに、本件における市町村農業委員会は、いかなる法律によつても個人の農地所有権の範囲を確定する権限が与えられているものではなく、本件通知は法律上何等の効力を有するものではない。
 それ故、本件通知をもつて特例法にいう行政処分と解することはできない。
 このことは、本件農地が国から売渡を受けたものであることによつても別異に考えるべき理由はない。売渡によつて上告人の所有に帰した土地の区域は売渡処分そのものによつて定まつているのであつて、本件のような通告によつてその区域を変更し、或は確定することはできないのである。
 されば、前述のように右通知が行政処分たる性質をもたないから、その無効確認又は取消を求める本件訴を許されないものとした原判決は正当に帰し、論旨は採ることを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
 
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官    真   野       毅
裁判官    斎   藤   悠   輔
裁判官    岩   松   三   郎
裁判官    入   江   俊   郎
 
 
(スミぬり裁判をすすめる会「資料・情報2」のページに戻る)