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 ※ 尋問調書をそのまま掲載しています。一部、明らかな誤記についてはカッコで指摘しました。
    青字の部分が教育長の証言です。
<参考>尋問事項書


 「スミぬり裁判」第11回口頭弁論(2005.4.21中野一雄教育長証人尋問)調書

<主尋問>

被告代理人(仲田)
  あなたは,現在,枚方市教育委員会の委員長をされてますね。
     はい。
  いつから委員長をされてますか。
     平成16年9月27日からです。
  それ以前は教育委員会の委員をされてましたね。
     はい。
  委員はいつからですか。
     委員は平成8年4月1日からいたしまして,委員として選ばれまして,
     同時に教育委員会で教育長としての職にあたるように決定されました。
     したがいまして,平成8年から教育長の任にあたってまいりました。

  平成8年4月1日から枚方市教育委員会の委員をされてると。
     はい。
  委員の中から教育長が選ばれると。
     はい。
  それで,平成8年4月1日から委員となると同時に,教育長の職に就いて,
  それはいつまでやっておられましたか。
     平成16年3月31日までです。
  平成8年4月1日に教育委員会の委員に.あるいは,教育長になられる前か
  ら教育委員会にはおられたわけですか。
     委員になる前は,第一中学校の校長を平成6年4月1日から平成8年
     3月31日まで校長室におりました。

  それ以前に,教育委員会で勤務されたことはありますね。
     はい。
  何年ごろから。
     最初に教育委員会に入りましたのは.昭和53年4月1日から学校教
     育部の指導主事として教育委員会に入りまして,以後,昭和63年4
     月1日から元年の3月31日までは,第4中学の校長を1年間してお
     りましたが,その後,また教育委員会に戻りまして,平成6年3月3
     1日まで,事務局におりました。

  教育長等の職務の内容につきましては,地方教育行政の組織及び運営に関す
  る法律の第17条に規定されているんですが,どういう職務内容か,あなた
  の口から言っていただけますか。
     はい,教育長は,教育委員会の指揮監督の下に教育委員会が管理すべ
     き職務のすべてを司ると.このように認識しております。

  もうちょっと具体的に言うと.どういうことになりますか。
     枚方市の場合は,教育委員会は4部から成り立っておりまして,管理
     部,学校教育部,社会教育部,図書館の4部から構成されております
     が,その4部に関係しておりますすべての事務の掌握にあたる立場に
     あると思っております。

乙第3号証を示す
  これは,「平成14年度入学式の実施及び実施状況について(通知)」とし
  て,枚方市教育委員会教育長から枚方市立小中学校長あての文書です。これ,
  お分かりになりますね。
     はい。
  この文書はどういうものなんですか。
     これは、平成14年度の入学式を学習指導要領に基づいて,適正に実
     施していくように各学校長に指示いたしましたが.その実施状況の事
     前の計画についての報告を求める通知と,その後,実施した後の実態
     についての報告を求めると.この二通りの通知文であります。

  この通知書の1枚目を見ますと,1回目報告,2回目報告とありますね。
     はい。
  それが,今おっしゃられた1回目報告というのは,事前の計画,2回目報告
  というのは実際に実施した結果の報告と,こういうことですね。
     はい。
  で,報告書の様式がその後に綴られていると,こういうことですね。.
     はい。
  こういう入学式,あるいは,卒業式でも結構なんですが,入学式,卒業式に
  ついてこういう報告を求めるようになったのはいつごろからですか。
     平成10年度の卒業式からです。
  それまではどうされてましたか。
     それまでは,実施状況等については,事務局のほうで確認する場合は
     電話等で確認をするという形式をとっておりました。

  乙第3号証の2ページ目から3ページにかけて,これは第1回報告なんです
  が,ここでの2ページ目の記の下に算用数字が1,2,3,4とずうっとあ
  りますが,その2からですね,指示事項の1点目について,3のとこで指示
  事項の2点目についてと,ずうっと来て.最後,次の3ページ目の指示事項
  の7点目についてという具合に記載があるんですが.この指示事項というの
  はどういうものを指すわけですか。
     これは,学習指導要領に基づいた入学式を適正に実施するために,教
     育委員会として,七つの具体的な項目を指示したものです。

  それを指すわけですね。
     はい。
乙第6号証を示す
  これは,「平成14年度臨時校長会・園長会指示伝達事項メモ」「指導課」
  と,これの抜粋なんですが,これはどういうものですか。
     これは.年度当初に臨時校長会を開きまして,そのときに,入学式に
     ついて7点の具体的な指示をしたものです。

  それは臨時と書いてますが,毎年その年度替わりにはやってるわけですか。
     はい,臨時という名前がついておりますが,4月1日は人事異動がご
     ざいまして,校園長が交替をしておりますし,事務局も交替しており
     ます。そういう顔合わせが主たる目的ですけれども,同時に,当面す
     る入学式に向けての指示をしたわけです。

  そこに指導課と書いてますがこれは教育委員会の中の部署の名前ですか。
     はい。
  正式にはどういうわけですか。
     正式には学校教育部指導課です。
  それは,校長会での指示伝達事項をメモして,それは配布するわけですね,
  校長先生なんかに。
     それは,たぶん,配布したものだと思います。
  その7点指示というのは先ほど言われたこの算用数字でいくと,1のとこ
  ろ平成14年度入学式,入園式について,卒業式に準じて,7点について
  指示伝達と(1)から(7)まであるこれを指すわけですね。
     はい。
  この指示はどういう目的で出されてるわけですか。
     それは先ほど申し上げましたように,学習指導要領に基づいた入学
     式を適切に実施していくために,具体的に指示したものです。

  そういう指示を教育垂員会が学校長あてに出せるという根拠はどういうもの
  ですか。
     入学式に関しましは,学校長の権限ではありますが,法令に定められ
     た適切な入学式を実施するためには,教育委員会は、地方教育行政の
     組織及び運営に関する法律の第23条5項に教育課程について管理執
     行する権限を持っていると考えております。適切に実施していくため
     には,その権限に基づいて指示をしていく必要があると判断したため
     です。

  学習指導要領では入学式はどういうものとして位置付けられていますか。
     これは特別活動の中の学校行事の内.学校行事にはさまざまな行事が
     ありますが,その内の儀式的行事としての位置付けがございます。

乙第1号証を示す
  この96ページここに,特別活動というところで儀式的行事とありますね。
     はい。
  そこに,「学校生活に有意義な変化や折り目を付け,厳粛で清新な気分を味
  わい,新しい生活の展開への動議付けとなるような活動を行うこと」,これ
  に含まれるわけですね。
     はい,そうです。
  97ページ末尾の算用数字の3のところですが.「入学式や卒業式などに
  おいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよ
  う指導するものとする」,こう,学習指導要領には記載されているわけです
  ね。
     そうです。
  中学校のも同じですね。
     はい,そうです。
  今読みました入学式や卒業式においては,その意義を踏まえ.国旗を掲揚す
  るとともに国歌を斉唱するよう指導するものとすると,こうされてますね。
     はい。
乙第6号証を示す
  そのことは,この7点指示にその趣旨が反映されていると,こういうことで
  すか。
     はい,そうです。
乙第3号証を示す
  入学式がこの7点指示のとおりに履行されているかどうか,あなたの証言で
  言えば,学習指導要領が適正に実施されているかどうかということを調査し
  たわけですよね。その結果はどうでしたか。
     学習指導要領の趣旨が徹底するように,7項目の具体的な指示をいた
     しました。その結果がどうであるかという実施状況の報告を求めたわ
     けですが,その結果,校長の指示命令に従わないで,起立をしない教
     職員の存在が明らかになりました。

  それで,次はどういうことをされましたか,教育委員会としては。
     そこで,教育課程を適切に執行していくためには,その職務命令とい
     うんですか,職務の指示に従わなかった教職員の具体的な事実につい
     て確かめて,教育課程が適切に執行できるように改善をしていく必要
     があると考えましたので,その起立の状態についての確認をいたしま
     した。

甲第4号証,甲第5号証を示す
  これは,甲4号証.「平成14年度入学式の国歌斉唱時の起立について(通
  知)と,こういう書類ですね,甲5号証はそれについての報告を求めると,
  こういうものなんですが,こういう通知で報告を求めたということですか。
     はい.そうです。
  今おっしゃられたのは,先ほどおっしゃられた教育課程に関する事務の管理
  執行という観点から,入学式が学習指導要領にのっとって,適正に行われて
  いるかどうかを調査したと,その結果,一部そのとおりされてないというこ
  とが分かったので,そういう観点から,言い換えたら教育課程に関する事務
  の管理執行という観点からそういう調査をしたと,こういうことを言われま
  したね。
     はい。
  この調査はそういう目的だけですか。
     はい,そうです。
  そういう目的しかないんですか。
     はい,そうです。
  先ほど,何か指示に従わないうんぬんということをおっしやられませんでし
  たか。
     それは,教育委員会としましては,この教育課程を適正に執行してい
     くためのそういう管理執行権限に基づいて調査をしましたが,同時に,
     適切に行われるように,服務面での権限も.地方教育行政の組織運営
     に関する法律の43条1項で権限を有しておりますので,その実態に
     ついて調査したわけです。

乙第6号証を示す
  この7点事項の(3)ですが,ここに,「教職員が国歌斉唱時に起立し,斉
  唱すること。また,教職員に児童生徒が起立をすることの意味や斉唱の指導
  を行うことを明確に指示すること。なお,教職員の起立については.起立し
  ない場合,再度,起立の指示をすること」と,こうなってますね。
     はい。
  そうすると,校長から,起立しない教職員については,再度,起立してくだ
  さいという指示が出るわけですね。
     そうです。
  それで,今あなたのおっしゃったのは.そういう指示が出てるのに校長の指
  示に従わないということは,服務規律で問題があると,こういうご趣旨です
  か。
     はい,そうです。
  そういう観点からも,この調査を実施したと,こういうことですか。
     はい。
甲第5号証を示す
  これを見ますと,報告事項というのは,教職員数について,それから.国歌
  斉唱時に起立しなかった教職員の数及び氏名,教職員に対する国歌斉唱時の
  起立の指示について,それから入学式当日,入学式後の指導についてと。
  そこで,入学式後の指導のところで,起立しなかった教職員に対する起立し
  なかったことの確認の有無,これが有りの場合は,当該教職員から聴取によ
  る起立しなかった理由と,こうなってますが,この当該起立しなかった教職
  員からの事情の聴取というのはだれがするわけですか。
     これは,直接,学校長が本人から事情を聴取しております。
  それについて教育委員会の人が関与するということはないわけですね。
     それはありません。
  各校長先生がそれぞれ当該の教職員から個別に事情を聞くと,こういうこと
  ですね。
     はい,そうです。

<反対尋問>

原告(松田浩二)
  あなたが教育長に就任したときに,また,それ以前に,枚方市内の公立学校
  で君が代の起立斉唱は行われていましたか。
     私が就任した当時には行われておりませんでした。
  それはどのようにして知ったわけですか。行われていないということはどの
  ようにして分かったわけですか。
     それはどういうような入学式,あるいは,卒業式になってるかという
     ことは報告を受けております。

  それは,先ほど電話による報告があったというふうに聞きましたけども,
  私のほうではそれは承知していないんですけれども,具体的にはどのよう
  な報告を求めてそのように報告があったわけですか。
     それは事務局のほうで,必要な項目というのを決めて調査しており
     ますから細かな部分は,私は,今,掴めておりません。

  それは事務局からというか,教育長の名前で指示として,通知として出さ
  れたものですか。
     私が,先ほども答えましたが,10年以降につきましては,文書によ
     って報告ということはございますが,今,8年から,当初のことは,
     そういうことはしておりませんし,それはどういう状況下の中では,
     国歌の取扱いについては,なされているという報告を受けておりませ
     んから,だから,なされていなかったという認識に立っているわけで
     す。

  国旗国歌法の制定過程で.特に国会なんかでは,思想良心の自由というもの
  が,特に児童生徒や,あるいは,その教員に対して問題になって,主要な論
  議になったということは,あなたは御存じでしたか。
     国会で論議されているということは知っておりましたが、主要な論議
     になっているかどうかは知りません。

  つまり,思想良心の自由が,この国歌法の論議の中で論議になっていたという
  ことは.御存じだったということですね。
     はい,そうです。
  国会でもそのように論議になったんですけれども,要するに,日の丸君が
  代ですがね,日の丸君が代を巡って,歴史的にも,特に戦後ですね,世論
  を二分するような意見の対立等があったということも御存じでしたね。
     意見の対立はあったというように理解しておりますが,それが二分す
     るようなそういう状況であったかどうかについては,分かりません。

  要するに,意見の対立があったことは知っていたということですね。
     はい。
  卒業式,入学式に関しては教育課程の中に含まれるものであるということ
  を先ほどお答えいただきましたね。卒業式や入学式の内容は,各学校で決め
  るものなんですかね。
     内容につきましては校長が決定する権限を持っておりますが,教育委
     員会は地教行法23条5項の規定によりまして.管理執行する権限を
     有しておりますので,適正に行うような指示ができるものと考えてお
     ります。

  ということは,卒業式の内容,例えば,その国旗,国歌に限らず,ほかの細
  かい部分に関してもそういう指示ができるということになるわけですかね。
     例えば,入学式,卒業式の場合は,儀式としての意義というものを踏
     まえたようなそういう雰囲気,あるいは.形式になるような,そうい
     う状況に持っていくために指示をすることはできると思っております。

  ということは,具体的に言いますと,それはどのような指示になるわけです
  か。やっぱり,国旗,国歌に関してということになるわけですか。卒業式,
  入学式というのは,いろんな式次第の中でありますよね,子供たちがいろい
  ろ演じたりとか,歌を歌ったりとかありますよね。
     はい,あります。
  そういうことではなくて。
     そういう,例えば子供たちの平素の活動を生かした部分というような
     ことは,それは各学校長が判断していくべきことですが,学習指導要
     領の中で,国旗,国歌,国旗を掲揚し.国歌を斉唱するように指導す
     るものとするというような,そういう部分につきましては,教育委員
     会が.それが適正に行われるように指示していく,そういう立場にあ
     ると考えております。

  つまり,その国旗,国歌の部分に関しては指示していく立場にあるし,それ
  ができると。
     はい。できてない場合は,是正を目指していく立場だと思っておりま
     す。

  あなたが,最初に卒業式,入学式で,君が代,国歌斉唱を校長に指示したの
  はいつになりますか。
     これは平成10年度の卒業式からです。
  平成10年度の卒業式ということは.99年3月ということになりますかね。
     平成10年3月の卒業式からです。
  10年度ですね。
     はい,そうです。
  10年度の卒業式だから,11年ですね.3月の卒業式。
     そうです。
  ということは.これは校長会での指示ということですかね。
     はい,そうです。
甲第31号証の5を示す
  これは校長会でのあいさつ部分ですね。
     そうです。
  これが,卒業式での校長の取組として次のことをしますというのが,証人が
  一番最初に指示をされたものであるということですね。
     そうです。
  そこで,校長会でですね,繰り返し,国旗掲揚,国歌斉唱というものを決定
  (※徹底の誤記)するように,あなた,強調されてるんですが,それはなぜ
  なんでしょうか。
     学習指導要領の中に,国旗を掲揚し,国歌を斉唱するように,国歌斉
     唱の指導を位置付けられておりますから,それが定着するようにとい
     うことで指示したわけです。

  私が聞いてるのは,乙1号証をお示ししてもいいんですが,学習指導要領と
  いうのは,ほとんど,何々する、何々すること,ところどころ,何々するも
  のとするという書き方をすべてしてるんですよ。見たら.そら,義務規定の
  ようにも読めるんですけれども,ほとんどそういうふうな形として書かれて
  るんでしょう。で,特別活動の,先ほど言われたけど,一番最後のページで
  すよね,学習指導要領は。に,入学式や卒業式などにおいては,その意義を
  踏まえ,国旗を掲揚し,国歌を斉唱するよう指導するものとすると,2行が
  ぽつんと書かれてるんですよね。これが一体,上のどこにつながるのかとい
  うのが,私,読んでいて分からないんだけども,今.言いましたように,学
  習指導要領というのは,そういうふうに何々することということがずらっと
  書き並べられているんですよ。その中で,どうして国歌だけをそのように何
  度も何度も,強調して言わなければいけないのかという理由をお尋ねしてる
  わけです。
     教育課程を進めるにあたっては,学習指導要領に基づいて実施するこ
     とというのは,学校数育法の施行規則,小学校の場合,たしか25条
     で定められていると思います。ですから,さまざまな教育活動の基準
     は,現在は,最低基準とみなして取組をするような指示も国から下り
     ておりますけれども,そういうような基準というものが明確に示され
     ているわけですね。その中で,入学式,卒業式,今回の場合は卒業式
     に対する指示ですが.卒業式の中で,そういうような根拠を持って指
     導することを示されているものには,やっぱり,きちっと対応してい
     く必要がある,そういう観点から指示をしたわけです。

  ということは.その卒業式なり入学式というのは,他の項目に比べて重要で
  あるという認識だということですか。
     儀式的行事としてのですね,学校の最大の行事ですから,そのときに,
     やはりそういう学習指導要領の趣旨を踏まえた場合に,それを生かし
     ていくということは非常に大事なことだと私は認識しております。

甲第31号証の1の1ないし甲第31号証の31を示す
  平成13年11月1日の定例校長会までの中野教育長の挨拶文のみをまとめ
  て情報公開したものなんですけれども,この中で,すべて,証人が校長会で
  お詰しされたことなんですがね,この中で,国旗,国歌ということですね,
  これもそうですけど,ここもそうですね。31の8もそうだし,31の14
  もそうだし、31の13もそうだし,いたる所に出てくるわけなんですね。
  それは,一番ご本人が御存じだと思いますけれども,これはちょっと,学習
  指導要領の中で,入学式や卒業式などにおいてはという,いわゆる,その国
  旗国歌条項と言われて,私たちは国旗国歌項目と言ってますけれども,があ
  るからと言って,ここまで強調しなければいけないという理由にはならない
  と思うんですけれども,その理由がちゃんとあるんじゃないんですか。
     教育公務員は教育法令,特に具体的に教育課程を推進していく者は学
     習指導要領に基づくということは定められておりますから,その中身
     をきちっと踏まえていく,その努力をしていくということは,当然,
     校長以下,教職員の責務であると私は思います。だから,それが欠落
     しているような学校数育をしていってはならないと思って指示をして
     いるわけです。

  他の教科に閲しまして.先ほど言いましたように,何年生ではこれができる
  ようにするというようなことが書かれてるんですよね。それについても,あ
  なたは,その調査を行いですね,指示をしたというようなことはないわけで
  すね。
     具体的に,各授業のそういうことにつきましては.これは学校長の指
     示のもとに対応していくべきものでありますが,例えば,教科でも,
     あるいは,道徳とか.そういうような領域に関しても,最低数えるべ
     き時間数というものが,例えば決められております。それが果たして,
     きちっと守られているのか,それが子供たちに保証されているのかど
     うか.そういうことの具体的な事実の確認はいたしております。

甲第31号証の5,甲第50号証を示す
  あなたは,平成10年度の第7回校長会,先ほどお見せしたものですね,で,
  次のことを指示しますと述べて,3点の指示をしていますが。甲第31号証
  の5,その指示が,枚方市立学校長に対する事務委任規定第2条2項による
  ものだというふうにそこでは明言されております。つまり,教育長の権限と
  して指示したということですか。
     先ほども申しましたが,入学式,卒業式は,校長が決める権限ではあ
     りますが,教育委員会が適正に執行していくための管理執行権限を持
     っております。その中で,この国旗,国歌が欠落しているということ
     は,大変重大な問題であるという認識を私自身いたしておりますので,
     この甲第50号証,2条2項にあります重要かつ異例の事態に匹敵す
     るといいますか,そういうような重要な事柄であるという認識のもと
     に指摘したつもりなんですけれども,その部分では,ここでは,重要
     かつ異例の事態に相当する内容であるという思いで述べたものが,こ
     ういう指示のような表現になっているという,この部分についてはち
     ょっと,正確でなかったかなという思いは持っております。

  よく分からなかったんですが。
     本来は,校長が入学式,卒業式を決める権限を持っております。しか
     し,欠落している部分については,教育委員会がその是正をはかる権
     限を持っています。それを指示する権限を持っております。そのとき
     に,どういう部分が重要かつ異例の事態かという,この2条2項に該
     当するぐらい重要であるという認識を持って.この2条2項を挙げた
     わけです。

  だから,2条2項を挙げたということは,あなたの権限として指示したとい
  うことですね。
     そのぐらい重要ですから,是正を求めてくださいというニュアンスで。
  ニュアンスより,そのあなたの権限として指示したということですかという
  ことをお尋ねしてるわけです。
     はい,そうです。
  重要かつ異例の事態ということでですね,だから,校長に一度委任した権限
  を,あなたが,もう一度,自己に戻して指示をしたというかたちになると思
  うんですけど,そのことについて,教育委員会には。
被告代理人(仲田)
  ちょっと異議がございます。証人は,先ほどは,校長に本来権限があって、
  それについて,教育委員会として地数行法23条5号による指示ができると,
  こういう具合な証言をされたと思います。今お聞きの質問の前提は,本来,
  教育委員会の権限を教育長から校長に委任したということを前提にした御質
  問だと思いますので.ちょっと御質問の趣旨が違っていると思いますが。
裁判長
  質問を注意してください。
原告(松田浩二)
  重要かつ異例の事態ということですけれども.それに関して,教育委員会に
  おはかりになったことはありますか。
     質問の,はかるというのはどういう。
  「諮る」という問いです。
     常にこういう課題につきましては,教育委員会で協議をいたしており
     ます。最初に,教育長の職務の中で,教育委員会から指示勧告のもと
     にという言葉があります,表現がございますが,重要なことについて
     は,5人の教育委員が十分協議して,そして,合意の上でその方向に
     向かって進むという,そういう態勢を取っております。

甲第18号証を示す
  教育委員会で協議をされたということなので,その記録は残っているという
  ことですね。
     記録は残っておりません。
  と言いますと,それはなぜですか。お諮りになったということでしょう。
     だから,諮るという意味は,正式の議事としては出しておりません。
  議事としては出していない。重要かつ異例の事態だけれども,議事としては
  出していないということですか。
     絶えず,協議の中で進めております。
  ということは,議事録にはまったく影も形もないということですか。
     そうです。
原告(堀口)
  議題にかかわらず,会議として,審議というか,話題にしなかったというこ
  とですね。   
     はい。
  会議以外の場で,個人的に教育委員さんどうしが話合いするとか.そういう
  話合いをしたということですか。
     はい,そうです。
  要するに,教育委員会会議というものがありますね。地方教育行政法に基づ
  いて,教育委員会には会議というものがありますね。その場で話題にしたと
  いうことはないですか。
     そういうことはございませんが.基本的に,教育長は法令に基づいて
     進めていくわけですから,この事務委任規定の場合でも,重要かつ異
     例の事態が生じたときは,これを教育長の決定にかからしめなければ
     ならないという表現がありますけれども,私自身の個人的なそういう
     ことだけではなくて,教育委員それぞれの教育委員さんのその気持ち
     とかですね,やっぱり,枚方の教育をいかにしていくべきかという,
     その認識をしておられる部分,それが双方に一致した形で,私の決定
     として取り組んでいったわけです。

  お尋ねしていることに答えていただきたいんですけども,先ほどお示しした
  枚方市教育委員会事務委任規則第2条第2項に当てはまるようなかたちで諮
  ったことはありませんか。重要かつ異例の場合には,事態が生じたときには,
  これを委員会に諮らなければならないと。で,その前がついてたわけです。
  前項の規定にかかわらず,要するに,委任されている事務だから.まあ,言
  えば教育委員会にある意味ではいちいち報告せんでいいことやけれどもとい
  うのはね,これ,感じですわね,前項は事務委任されてると,にかかわらず,
  委任された事務について.重要かつ異例の事態が生じたら,委員会に諮らな
  ければならないと,これは義務規定ですわね。これにのっとって.今の事態
  を,卒業式,入学式の起立の問題を諮ったことはありませんかと言うてます
  ねん。   
     私自身の決定で進めていきました。
裁判長
  今原告からご質問があったようなかたちから来て,委員会に諮ったという
  ことはないわけですか。
     案件として諮ったことはございません。
原告(松田浩二)
甲第31号証の5を示す
  なぜ国歌斉唱を行うことが校長の証になるんでしようか。甲第31号証の5
  校長の取組として,次のことを指示しますのAの中に,「校長の証として,
  国歌斉唱を行うこと」というふうに,あなたは述べていますけれども。
     これは,校長は.法令等に基づいた,そういう職務を進めていく必要
     があるからです。

  いえ,ですから.私が言っているのは,国歌斉唱がなぜ校長の証なのかとい
  うことをお聞きしているんです。
     国歌斉唱をするように進めていくということは校長の責務であると考
     えるからです。

  それは校長の条件だということですか。.
     校長が教育課程を適正に推進していく上で,必要な姿勢だと思います。
甲第31号証の2を示す
  下から5行目,「教育委員会も,国旗国歌に反対する人,主任制に反対す
  る人,研修に反対する人は,これからの管理職登用は,あってはならないと
  考えている。校長の登用も同様である」というふうに書かれていますが,つ
  まり.これほど厳しい校長になるための条件が,また.校長で位置づけるた
  めの条件が国歌斉唱であるということですか。
     法令を遵守するということを基本にした学校経営というんですか,学
     校運営をしていく人でなければならないと考えたからです。

  私が聞いているのは,具体的に国歌斉唱を行うことが校長の証だったという
  ことをお聞きしているんですね。
     国歌を斉唱するように指導するというのは,これは義務づけられてい
     ます。

  義務づけられているということですね。
     そうです。
  それは何による義務なんですか,法的には。
     教育課程は,学習指導要領を踏まえて実施していかねばならないとい
     う学校数育法施行規則25条に示されているからです。

  それが義務であるということですね。
     そうです。
甲第31号証の13を示す
  あなたは,平成11年度第8回定例校長会でですね,「国歌法制案が可決さ
  れ,校長は,法をまげる方向でなく,先生に起立するよう指示しておくこと
  が大切」だというふうに述べていますけれども,起立しないことが国旗国歌
  法を曲げることになるわけですか。
     学校数育におきまして,単に知識だけではなくて,国歌斉唱にふさわ
     しい国歌斉唱の意義とか,あるいは,ふさわしい態度を育てるという
     ことは教育として非常に重要なことであります。ですから,そのモデ
     ルとして,教師はその態度を身をもって示すということは,これは子
     供たちに対する,私は責任であると思います。そういう観点から,き
     っちりと,起立して指導する立場の人間がきっちりと起立の姿勢も示
     して,そして,国歌斉唱の意義,あるいは,その姿勢を見つけていく,
     そういうことを考えましたら,起立をするというのは当然であろうと
     考えております。

  国旗国歌法は,あなたは、起立しなければ曲げることになるんだということ
  をおっしやってるわけですが,国旗国歌法は御存じですよね。
     はい,知っております。
  起立するようにということを書いてありますか。
     起立するという具体的な表現はありませんけれども,学習指導要領に
     おきまして。

  いや,国旗国歌法を曲げること,それはなぜなのかと僕は聞いているんです。
     法を遵守するという立場ですね,これを貫くという姿勢を示していく
     ならば,当然,国歌斉唱のときに起立するというのは自然なかたちで
     はないかと思います。

甲第31号証の14の2を示す
  この中に,「教職員には法的な制約があり,思想信条の問題ではない。職務
  に内心の自由はない」というふうなことをおっしやってますけれども,これ
  が正しいという根拠は一体どこにあるんですか。
     これは,教育公務員は法令に従って職務に専念する義務が位置付けら
     れております。内心でいろんな思いはあろうと思いますけれども.そ
     れよりも優先すべきは、教育法令,服務法令を優先することにあると
     考えます。そうしますと,おのずから,内心の自由に制約が付いてく
     ると,このように考えます。

  制約と内心の自由はないということは意味が違うと思うんですが。
     もう一度お願いします。
  制約があるということと,内心の自由がないということは全く違うことだと
  思いますが,あなたは,内心の自由はないとおっしやってるんですが。
     子供の指導にあたりましては,学習指導要領の具体的な方向なり,あ
     るいは.その趣旨を踏まえて取り組むということ,それを前面に出し
     ていかなくてはなりませんから,自分の思いを出すんではなくて,国
     の基準を基にやっていく,それを表面に出して取り組んでいくという
     立場にありますから,内心の自由というのはおのずから制約されると
     いう意味で述べた部分であります。

  2002年の卒業式,入学式に関して,校長に職務命令を出すように指示,
  あるいは,命令しましたか。また,職務命令を発した校長はありましたか。
     校長には具体的な指示をいたしておりますが.それを受けて,各校長
     がどのような対応をしたかについては確認できておりません。

  命令はあなたが出してないということですね。
     はい,そうです。
  起立しなかった理由として,先ほど主尋問の中でもありましたが,思想信条
  に関する内容は含まれるということをあなたは予想されましたか。
     校長の指示に従わなかったという服務上の問題についての調査をして
     おりますから,思想信条に関するようなそういう観点のことは予想し
     ておりません。

  つまり,起立しなかった理由を聴取したらですね,思想信条に関する個人情
  報が集まるであろうということは,あなたは予想しなかったということです
  ね。
     服務上の調査として行いましたから,そういう部分は意識しておりま
     せんでした。

  つまり予想しなかったということですね。
     はい。
  2003年以降.起立しなかった理由を調査項目から削除しています。あな
  た,御存じだと思いますけれども,起立しなかった理由を調査報告から削除
  したのはなぜですか。
     起立しない人の理由というのは,おおむね把握できているからです。
  被告の平成16年11月2日付けの準備書面の5ページに,本件調査によっ
  て,起立しない理由をおおむね把握することができたのが主な理由であると
  いうふうに,私たち求釈明に対しても書面でお答えになってるんですが,こ
  のおおむね把握できた具体的な内容とは,どういうものなんですか。
     細かくは覚えておりませんけれども,自分の信念であるとか,自分の
     気持ちが表現されていたように思います。

  ということは,それは,当然,思想信条に関するものが含まれているという
  ことですね,おおむね把握できたものの中として。
     思想信条に該当するかどうかというのは,言い切れない部分があるよ
     うに思います。

甲第22号証を示す
  決定理由説明書というものがありますが,起立しなかった理由にはさまざま
  なものがありというふうに書かれています。同じような質問になりますが,
  さまざまというのは一つ二つじやないと思うんですけれども,さまざまと言
  えるぐらい覚えているものを挙げていただけますでしようか。
     具体的には思い出せません。
  その程度のものを調査されたということなんでしょうかね,何が分からない
  んですか。
     ・・・・・。
  7点指示に関してですね,校長を市教委に個別に呼んでですね,指示,ある
  いは,命令をしたことはありますか。
     学校数育の事務局のほうで,計画の段階で,その状況の把握のために,
     事情を聞いて,そして,指導したということはございます。

  学習指導要領に基づいた調査であると,指示を出して調査をしたということ
  を繰り返し繰り返し証人は述べておりますけれども.一点だけ最後にお尋ね
  いたします。起立についての個人調査を行ったわけですが,なぜ,斉唱につ
  いての調査はこの中に項目として入っていないんですか。
     もう一度ちょっと。
  斉唱についての項目は,7点の指示の中で,起立して斉唱することという指
  示をあなたは出しているわけですよ。なぜ,起立についての調査報告,個人
  調査はしてるんだけど,斉唱についての項目はないんですか。
     起立というのは,動作として把握はしやすいとは思いますけれども,
     歌うという部分については.体育館全体で全員が歌っているわけです
     から,それの確認は難しいかろうと思います。

  単にそれだけの問題ですか。
  校長の証ともなるような大切なことなんでしょう。
     斉唱をするように指導し,本人にも斉唱をするようにという指示はし
     ておりますけれども,それの確認は,現実には,そこまでは難しいと
     思います。

                            以  上

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