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★ 2005年2月15日、「不起立調査」を受けた2名の教員が大阪地裁に提訴しました。
「教員編」のスタートです。住民訴訟(住民編)ともあわせてご支援お願いいたします。
★ 2007年11月30日の大阪高裁判決が確定し「教員編」は終結いたしました。
ご支援、ご協力ほんとうにありがとうございました。
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★ 2005年2月15日 大阪地裁提訴(原告2名)
★ 2007年4月26日 大阪地裁(第7民事部)判決(一部勝訴・認容)
★ 2007年5月9日 原告控訴(被告は控訴せず)
★ 2007年8月29日(水) 控訴審第1回口頭弁論(弁論終結)
★ 2007年11月16日(金) (延期)
★ 2007年11月30日 大阪高裁(実質逆転勝訴)判決(判決文は↓に)
★ 2007年12月18日 被控訴人枚方市は上告せず、高裁判決が確定したことを確認しました。
>>> 資料・情報1 2 3
<文書の色分け> ■原告書面 ■被告書面 ■書証関係 ■記事・注目文書・判決 ■その他
■ 2004年9月24日付 個人情報保護審査会答申と11月19日付市教委棄却決定書
■ 2005年2月15日、大阪地裁に提訴 訴状
■ 2005年2月16日付・朝日新聞記事「調査は憲法違反・2教諭提訴」
■ 2005年3月15日付 被告答弁書
■ 2005年3月18日付 原告第1準備書面(PDF/82.3KB)
■ 2005年4月25日付 被告準備書面
■ 2005年5月9日付 原告第2準備書面
■ 2005年6月30日付 原告第3準備書面
■ 2005年9月14日付 原告第4準備書面
■ 2005年11月7日付 原告第5・第6準備書面
■ 2006年1月20日付 被告準備書面・証拠説明書(PDF/519KB)
■ 2006年3月22日付 原告第7準備書面 証拠説明書(PDF/122KB)
■ 2006年4月3日付 原告証拠説明書(PDF/42.4KB)
■ 書証目録
■ 2006年5月15日付 被告準備書面(PDF/147KB)
■ 2006年6月1日付 原告証拠申出書
■ 2006年7月14日付 被告準備書面・証拠説明書(PDF/115KB)
■ 2006年8月5日付 原告第8準備書面
■ 2006年9月28日付 被告準備書面・証拠説明書(PDF/84.3KB)
■ 2006年10月5日付 原告第9(最終)準備書面・証拠説明書
■ 2006年11月24日付 原告証拠申出書
■ 2006年11月27日付 被告証拠説明書(PDF/124KB)
■ 2006年12月26日付 原告準備書面(11・22「住民編」高裁判決批判)
■ 2007年1月12日 裁判所作成「主張整理案」
■ 2007年1月24日付 被告意見書
■ 2007年1月25日付 原告意見書
★ 2007年4月26日付 大阪地裁判決(全文)
■ 2008年8月1日号(判例タイムズ/No1269)
= ここから控訴審関係 =
■ 2007年5月9日付 控訴状
■ 2007年6月25日付 削除等決定通知書(市教委)
■ 2007年6月29日付 控訴理由書
■ 2007年7月10日付 (被控訴人枚方市)答弁書・証拠説明書
★ 2007年11月30日付 大阪高裁判決(全文)・(確定)
■ 2009年2月号(法学セミナー/650号)最新判例演習 行政法/大橋真由美(成城大学)
(「君が代」斉唱時の不起立に関する個人情報非削除決定の取消事例)
<平成17年(行ウ)第21号 非削除決定取消等請求事件>(原告 堤)
<平成17年(行ウ)第25号 非削除決定取消等請求事件>(原告 福山)
訴 状 2005(平成17)年2月15日 大阪地方裁判所 御中 原告ら訴訟代理人弁護士 永 嶋 靖 久 当事者の表示 別紙の通り 請求の趣旨 別紙の通り 請求の原因 別紙の通り 証拠方法 証拠説明書の通り 添付書類 別紙の通り 非削除決定取消等請求事件 訴訟物の価額 金 2600,000円 貼用印紙額 金 18,000円 請求の趣旨 1 被告枚方市は、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)」中の原告堤卓雄に関する部分、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(中学校)」中の原告福山昌也に関する部分を、それぞれ削除せよ。 2 被告枚方市教育委員会が、原告堤卓雄に対して平成15年4月22日付でした個人情報の非削除決定(教学指第91号)、原告福山昌也に対して平成15年3月28日付でした個人情報の非削除決定(教学指第1290号)を、それぞれ取り消す。 3 被告枚方市は、原告らに対して、各金100万円を支払え。 4 訴訟費用は、被告らの負担とする。 との判決ならびに3項につき、仮執行宣言を求める。 請求の原因 1 枚方市情報公開条例・枚方市個人情報保護条例の規定 (1) 枚方市情報公開条例は次のように定めている(甲1)。 「第6条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する情報については、当該情報の公開をしないことができる。 (1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関するものを除く。)であって、特定の個人が識別され得るもの。ただし、次に掲げる情報を除く。 イ 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により、何人も閲覧することができるとされている情報 ロ 公表することを目的として実施機関が作成し、又は取得した情報 ハ 公務員の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員の職に関する情報 ニ 法令等の規定による許可、認可、届出その他これらに相当する行為の際に実施機関が作成し、又は取得した情報であって、人の生命、身体、健康、財産又は生活を保護するため、公開することが公益上必要があると認められる情報」 (2) 枚方市個人情報保護条例は、次のように定めている(甲2)。 「(収集等の一般的制限)第7条 実施機関は、個人情報の収集等をするときは、その所掌する事務の目的を達成するために必要最小限の範囲内で適正かつ公正な手段によって行わなければならない。 2 実施機関は、次に掲げる事項に関する個人情報の収集等をしてはならない。ただし、法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めに基づくとき、又は実施機関が枚方市情報公開・個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴いて必要があると認めたときは、この限りでない。 (1) 思想、信条及び信仰に関する事項 (2) 社会的差別の原因となるおそれのある事項」 「(収集方法の制限)第8条 実施機関は、個人情報を収集する場合は、その個人情報の収集目的及び記録項目を明らかにして、当該個人(以下「本人」という。)から直接収集しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合は、本人以外のものから個人情報を収集することができる。 (1) 法令等に定めがあるとき。 (2) 本人の同意があるとき。 (3) 出版、報道等により、当該個人情報が公にされているとき。 (4) 個人の生命、身体又は財産の保護のため、緊急かつやむを得ないと認められるとき。 (5) 前各号に定めるもののほか、実施機関が審議会の意見を聴いて、公益上必要があると認めたとき。」 「(削除の請求)第18条 何人も、実施機関に対し、第7条又は第8条第1項若しくは第2項の規定による制限を超えて、自己情報の収集がされたと認めるときは、その削除を請求することができる。 (救済手続)第26条 実施機関は、第22条第1項の決定について、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定による不服申立てがあった場合は、当該不服申立てが明らかに不適法であるときを除き、遅滞なく、枚方市情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。 2 実施機関は、前項の規定による諮問に対する答申があったときは、これを尊重して、速やかに、当該不服申立てに対する裁決又は決定を行うものとする。」 2 被告枚方市教育委員会(以下、被告枚方市教委とよぶ)による7点指示と「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査」 (1) 被告枚方市教委は、2002(平成14)年4月1日開催された臨時校長会・園長会において、枚方市立小中学校の校長に対して、2002(平成14)年度入学式について、「(1) 校長式辞、教育委員会告示、来賓祝辞は、体育館舞台上で行うこと。(2) 国旗については、式場内と式場外に掲揚すること。式場内での掲揚は、体育館舞台に掲揚すること。式場外での掲揚は、校門・玄関・ポールのいずれかに掲揚すること。(3) 教職員が国歌斉唱時に起立し、斉唱すること。・・・教職員の起立については、起立しない場合、再度起立の指示をすること。(4) 国歌斉唱を式次第の中に入れ、式場及びしおり・プログラム等に明記するとともに、しおり・プログラム等には国歌の歌詞をプリントすること。(5) 演奏方法については、ピアノ伴奏も含め、適切な演奏方法をとること。ピアノ伴奏による国歌斉唱ができるよう努力を。(6) 入学式における司会進行は教員が行うこと。・・・」などを内容とする7点の指示を行った(甲3 指示伝達事項メモ)。 (2) 被告枚方市教委教育長は、2002(平成14)年4月9日、教学指第45号をもって、枚方市立小中学校長にあてて、教職員につき「平成14年度入学式の国歌斉唱時の起立状況について」、国歌斉唱時に起立しなかった教職員の氏名、当該教職員からの聴取による起立しなかった理由などの報告を求めた。 (3) 被告枚方市教委は、上記報告に対する各校長からの回答に基づき、枚方市立小中学校の各校毎に起立しなかった教職員数・氏名・理由を一覧にして記載した「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校・中学校)」を作成した(甲4)。 (4) 被告枚方市教委は、訴外松田浩二が、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校・中学校)の氏名を除いたすべて」の公開を請求したのに対して、「【根拠】枚方市情報公開条例第6条第1号に該当 起立しなかった理由(思想、信条、信仰等に関する情報)は個人に関する情報であって、特定の個人が識別され得るものであるため」と言う理由で、部分公開決定を通知した(甲5 部分公開決定通知書)。 (5) これにより、枚方市教育委員会が、上記「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査」に基づき、教職員の起立しなかった理由として、思想・信条・信仰に関する個人の情報を、本人の意思によらないで収集し保管していることが明らかとなった。 3 原告堤卓雄に関する情報の収集と保管 (1) 原告堤卓雄(以下原告堤という)は、2002(平成14)年4月当時、枚方市立長尾小学校に在職する教諭であった。 (2) 原告堤は、2003(平成15)年3月17日、被告枚方市教委に対し、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)中、長尾小学校原告堤卓雄に関する部分」につき、自己情報開示等請求を行った(甲6 自己情報開示等請求書)。 (3) 被告枚方市教委は、2003(平成15)年3月31日、原告堤に対して、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)中、長尾小学校堤 卓雄に関する部分」の全面開示を決定し、これを原告堤に開示した(甲7 開示等決定通知書)。これにより、原告堤につき、同人の氏名と同人の思想・信条・信仰に関する情報が、被告枚方市教委によって、同人の起立しなかった理由として収集保管されていることが明らかとなった。 (4) 原告堤は、2003(平成15)年4月1日、被告枚方市教委に対し、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)中、長尾小学校堤卓雄に関する部分」の削除請求を行った(甲8 自己情報開示等請求書)。 (5) 被告は、平成15年4月22日付非開示等決定通知書(教学指第91号)をもって、「平成15年4月1日付で請求のあった自己情報の開示等については、次のとおり(削除)しないことに決定した」と、通知した(甲9 非開示等決定通知書。以下、本件原告堤に関する非削除決定という)。 削除しない理由は、「本件情報は、実施機関が地方教育行政の組織及び運営に関する法律第43条の規定により、府費負担教職員である枚方市立学校の教職員の服務の監督に当たっての適切な指導等を行うために平成14年度入学式の国歌斉唱時に起立しなかった教職員調査に当たり、教職員から起立しなかった理由を聴取したところ当該教職員から述べられたものであり、個人情報の収集を目的としたものではないが、記録する内容を選択することは公正さを欠くことになるのでそのまま記録したものである。枚方市個人情報保護条例(以下「条例」という。)第18条の規定による削除請求は、条例第7条又は第8条第1項若しくは第2項の規定による制限を超えた個人情報の収集がされた場合に認められるが、本件情報は条例第7条又は第8条第1項若しくは第2項の規定による制限を超えて収集された個人情報ではないため、削除を行わないものとする。」である。 (6) 原告堤は、2003(平成15)年6月18日、被告枚方市教委に対し、非削除決定につき不服申立を行った(甲10 不服申立書)。 (7) 被告枚方市教委は、枚方市情報公開・個人情報保護審査会(以下、審査会という)に諮問し、審査会に対し、平成15年9月24日付決定理由説明書をもって、非削除決定の理由を説明した(甲11 決定理由説明書)。 (8) 審査会は、平成16年9月24日付情個審答申第24号をもって、被告枚方市教委に対して、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)中、長尾小学校堤卓雄に関する部分」の削除請求に係る情報は、枚方市個人情報保護条例7条2項に規定する情報に該当し、かつ同項ただし書に該当しないとして、「枚方市教育委員会は、『平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)』内の異議申立人の氏名及び起立しなかった理由を削除すべきである」と答申した(甲12 答申)。 (9) 被告枚方市教委は、上記答申を受けたにもかかわらず、「答申があったときは、これを尊重して、速やかに」決定するよう定める枚方市個人情報保護条例26条に反して、2004(平成16)年11月19日まで決定を遅延させた上、審査会の答申を無視して、「本件異議申立を棄却する」と決定した(甲13 決定書)。原告堤は、この決定を同月21日受け取った。 4 原告福山昌也に関する情報の収集と保管 (1) 原告福山昌也(以下原告福山という)は、2002(平成14)年4月当時、枚方市立杉中学校に在職する教諭であった。 (2) 原告福山は、2003(平成15)年2月12日、被告枚方市教委に対し、「『平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(中学校)』内の福山昌也に関する部分(H13卒業式の起立状況及び氏名・理由を含む)」につき、自己情報開示等請求を行った(甲14 自己情報開示等請求書)。 (3) 被告枚方市教委は、2003(平成15)年2月26日、原告福山に対して、「『平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(中学校)』内の福山昌也に関する部分(H13卒業式の起立状況及び氏名、理由を含む」の全面開示を決定し、これを原告福山に開示した(甲15 開示等決定通知書)。これにより、原告福山につき、同人の氏名と同人の思想・信条・信仰に関する情報が、被告枚方市教委によって、同人の起立しなかった理由として収集保管されていることが明らかとなった。 (4) 原告福山は、2003(平成15)年2月27日、被告枚方市教委に対し、「『平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査』内の福山昌也に関する一切の部分(氏名・理由)」の削除請求を行った(甲16 自己情報開示等請求書)。 (5) 被告は、平成15年3月28日付非開示等決定通知書(教学指第1290号)をもって、「平成15年2月27日付で請求のあった自己情報の開示等については、次のとおり(削除)しないことに決定した」と、通知した(甲17 非開示等決定通知書。以下、本件福山に関する非削除決定という)。 削除しない理由は、上記本件原告堤に関する非削除決定と同一であった。 (6) 原告福山は、2003年5月28日、非削除決定につき不服申立を行った(甲18 不服申立書)。 (7) 被告枚方市教委は、審査会に諮問し、審査会に対して2003年9月24日付非削除決定理由説明書をもって、非削除の理由を説明した(甲19 決定理由説明書)。 (8) 審査会は、平成16年9月24日付情個審答申第23号をもって、上記本件原告堤に関すると同一の理由で、被告枚方市教委に対して、「枚方市教育委員会(以下「実施機関」という。)は、『平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査(中学校)』内の異議申立人の氏名及び起立しなかった理由を削除すべきである」と答申した(甲20 答申)。 (9) 被告枚方市教委は、上記答申を受けたにもかかわらず、「答申があったときは、これを尊重して、速やかに」決定するよう定める情報保護条例26条に反して、2004(平成16)年11月19日まで決定を遅延させた上、保護審査会の決定を無視して、「本件異議申立を棄却する」と決定した(甲21 決定書)。原告福山は、この決定を翌20日受け取った。 5 被告枚方市教委の憲法違反・法律違反・条例違反 (1) 7点指示の憲法違反・学校教育法違反・教育基本法違反 @ 被告枚方市教委は、上記「7点指示」を行うことによって、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員に、入学式の内容や進行方法と「君が代起立斉唱」を一義的に強制した。 A 上記強制は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員に対して、思想・良心の自由(憲法19条)、信仰の自由(同20条)、表現の自由(同21条)を侵害する、憲法違反がある。 なぜなら、「君が代起立斉唱」の強制は、「君が代」に対する一定の観念を告白・表現させる行為の強制であって、当該強制された者の思想・良心の自由、信仰の自由、表現の自由を侵害している。 B 上記強制は、学問の自由(前同23条)、学校教育法28条・40条、教育基本法10条に反する違法がある。 なぜなら、入学式の内容や進行方法に対する一義的な強制は、学問自由の一内容である教員の教授の自由を侵害している。また、教諭がつかさどる教育の内容を被告枚方市教委が一義的に強制するものであり、かつ教育への不当な支配である。 (2) 不起立理由調査の憲法違反・学校教育法違反・教育基本法違反・条例違反 @ 被告枚方市教委は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員につき、君が代斉唱時に起立しなかった教職員の氏名と起立しなかった理由を調査した。 A 上記調査は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員に対し、プライバシーの権利(憲法13条)、思想・良心の自由、信仰の自由、表現の自由を侵害する憲法違反がある。 なぜなら、原告らの思想・信条・信仰に関する情報は、プライバシーに係る情報として,一般的に,自己が欲しない他者にみだりに開示されたくないと考えることが自然な情報に当たり,かつ,そのような期待は,憲法13条に基づくプライバシーの権利に当たる。また、個人がいかなる思想・信条あるいは信仰を有しているか、または有していないかを告白をすることを国家は強制してはならず、その思想・良心について国家が直接に尋ねたり間接に推知することも許されない。これは、憲法19条・20条・21条によって保障されている。上記調査は、これら憲法上の権利を侵害している。 B 上記調査は、学問の自由、学校教育法28条・40条、教育基本法10条に反する違法がある。 なぜなら、入学式の内容や進行方法に対する一義的な強制に対して従わなかった者とその理由の調査は、それ自体一義的に強制するための手段であって、上記強制が学問の自由、学校教育法28条・40条、教育基本法10条に反しているところと変わりがない。 C 枚方市個人情報保護条例第7条2項違反 枚方市個人情報保護条例第7条2項は、実施機関が思想、信条及び信仰に関する個人情報の収集等をしてはならないと定めている。被告枚方市教委は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員につき「起立しなかった理由(思想、信条、信仰等に関する情報)」を個人に関する情報として、収集したことを認めている。上記調査には、審査会の認めるとおり、枚方市個人情報保護条例第7条2項違反がある。 (3) 不起立理由保管の憲法違反・学校教育法違反・教育基本法違反・条例違反 @ 被告枚方市教委は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員につき、上記調査に基づく結果を「平成14年度入学式の国家斉唱時、起立しなかった教職員調査(小学校)」「同(中学校)」として、一覧表に作成して保管した。 A 上記保管は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員に対し、プライバシーの権利、思想・良心の自由、信仰の自由、表現の自由を侵害する憲法違反がある。 なぜなら、原告らは、いずれも憲法13条によってプライバシーの権利を保障されているところ、プライバシーの権利は、自己についての情報をコントロールする権利を包含している。また、個人の思想・信条あるいは信仰についての告白の強制や間接の推知によって得た情報の保管が許されないことも、憲法19条・20条・21条によって保障されている。上記保管は、これら憲法上の権利を侵害している。 B 上記保管は、学校教育法28条・40条、教育基本法10条に反する違法がある。 なぜなら、入学式の内容や進行方法に対する一義的な強制に対して従わなかった者とその理由の保管は、それ自体一義的に強制するための手段であって、上記強制が学問の自由、学校教育法28条・40条、教育基本法10条に反しているところと変わりがない。 C 枚方市個人情報保護条例第7条2項・26条2項違反 枚方市個人情報保護条例第7条2項は、上記のとおり定めている。被告枚方市教委は、原告らを含む枚方市立小中学校の教職員につき「起立しなかった理由(思想、信条、信仰等に関する情報)」を個人に関する情報として、保管したことを認めている。上記保管は、枚方市個人情報保護条例第7条2項違反がある。 同条例第26条2項は、上記のとおり定めている。被告枚方市教委は、諮問に対する審査会の答申を尊重して、直ちに削除すべきであるのに、これを削除せず現に保管している。上記保管は、枚方市個人情報保護条例第26条2項違反がある。 6 削除による違憲状態の是正 原告らは、上記4(3)項記載の被告枚方市教委の、憲法違反・学校教育法違反・教育基本法違反・条例違反の保管により、現に人格権を侵害されている。 原告らが現に侵害されている権利は、日本国憲法の人権カタログ中の根幹をなす幸福追求権、思想・良心の自由、信仰の自由、表現の自由である。かつ、被告枚方市教委が、原告らにかかる情報を保管し続けている限り、被告枚方市教委による、憲法違反の人権侵害が続くこととなる。 従って、憲法違反の人権侵害状態を是正するためには、まず、削除が認められなければならない。削除請求権は、原告らの人格権に基づいて認められる権利である。 7 非削除決定の取消しについて (1) 枚方市個人情報保護条例第7条2項は、実施機関が思想、信条及び信仰に関する個人情報の収集等をしてはならないと定めている。 被告枚方市教委は、本件原告らにつき「起立しなかった理由(思想、信条、信仰等に関する情報)」を個人に関する情報として、収集保管していることを認めている。 (2) 同条例第18条は、実施機関が第7条の規定による制限を超えて、自己情報の収集がされたと認めるときは、その削除を請求することができると定めている。 従って、原告らはいずれも、被告枚方市教委に原告らにかかる個人情報の削除を求めることができる。被告枚方市教育委は、原告らにかかる個人情報の非削除決定をそれぞれ取り消さなければならない。 (3) 同条例26条第2項は、実施機関は、同条第1項の諮問に対する答申があったときは、これを尊重して、速やかに、当該不服申立てに対する裁決又は決定を行わなければならない、と定めている。審査会は、原告らにかかる個人情報を削除すべき旨答申した。 従って、被告枚方市教委は、個人情報の非削除決定をそれぞれ取り消さなければならない。 8 原告らの被った損害 原告らにかかる情報が削除されたとしても、被告枚方市教育委が、憲法・学校教育法・教育基本法・枚方市個人情報保護条例に違反して行った上記4(1)〜(3)各記載の、7点指示・不起立理由調査・不起立理由保管の各憲法違反・法律違反・条例違反の行為により、原告らが被った精神的損害については、回復されない。原告らの被った精神的損害は金銭に計りがたいものであるが、仮に金銭をもって評価するなら100万円を下回ることはない。 よって、原告らは、被告枚方市に対して、原告らの人格権に基づいて各削除請求を、また、同じく被告枚方市教委に対して、枚方市個人情報保護条例に基づいて非削除決定の各取消しを、被告枚方市に対して国家賠償法1条に基づき、各金100万円を請求する。 添付書類 1 甲号証写し 各1通 2 訴訟委任状 2通 当事者の表示 原告 堤 卓 雄 原告 福 山 昌 也 原告ら訴訟代理人 弁護士 永 嶋 靖 久 〒573−8866 大阪府枚方市大垣内町2丁目1番20号 被告 枚方市教育委員会 同代表者委員長 中 野 一 雄 〒573−8866 大阪府枚方市大垣内町2丁目1番20号 被告 枚方市 同 代表者市長 中 司 宏 |
平成17年(行ウ)第21号・同年(行ウ)第25号非削除決定処分取消等請求併合事件 原告 堤 卓 雄 外1名 被告 枚方市教育委員会 外1名 答 弁 書 平成17年3月15日 大阪地方裁判所 第7民事部合3B係 御 中 被告両名訴訟代理人 弁護士 仲 田 哲 請求の趣旨に対する答弁 1、原告らの請求をいずれも棄却する。 2、訴訟費用は原告らの負担とする。 との判決を求める。 請求の原因に対する答弁 1、「請求の原因」の「1」の事実はいずれも認める。 2、同「2」のうち、「(1)乃至(4)」の各事実はいずれも認めるが、「(5)」は争う。 被告枚方市教育委員会(以下、「被告市教委」という)は、「平成14年度入学式の国歌斉唱時、起立しなかった教職員調査」に関し、「個人の情報を、本人の意思によらないで収集」保管している」ことはない。 3、同「3」のうち、 (1) 「(1)および(2)」の各事実はいずれも認める。 (2) 「(3)」中、被告市教委が原告ら主張の開示決定をし、これを原告堤卓雄に開示したことは認めるが、その余は争う。 (3) 「(4)乃至(8)」の各事実はいずれも認める。 (4) 「(9)」中、被告市教委が、甲第13号証のとおり、平成16年11月19日、「本件異議申立てを棄却する」旨の決定をしたことは認めるが、原告埋卓雄がこの決定(甲第13号証)を同年11月21日に受け取ったことは不知。上記決定が枚方市個人情報保護条例(以下、「本件条例」という)第26条に反していること、被告市教委が「決定を遅延させた上、(枚方市情報公開・個人情報保護)審査会の答申を無視した」ことはいずれも争う。 4、同「4」のうち、 (1) 「(1)および(2)」の各事実はいずれも認める。 (2) 「(3)」中、被告市教委が原告ら主張の開示決定をし、これを原告福山昌也に開示したことは認めるが、その余は争う。 (3) 「(4)乃至(8)」の各事実はいずれも認める. (4) 「(9)」中、被告市教委が、甲第21号証のとおり、平成16年11月19日、「本件異議申立てを棄却する」旨の決定をしたことは認めるが、原告福山晶也がこの決定(甲弟21号証〉を同年11月20日に受け取ったことは不知。上記決定が本件条例第26条に反していること、被告市教委が「決定を遅延させた上、(枚方市情報公開・個人情報)保護審査会の決定を無視した」ことはいずれも争う。 5、同「5」のうち、 (1) 「(1)はすべて争う。 被告市教委の行為には、原告ら主張の「憲法違反・学校数育法違反・教育基本法違反」はない。 (2)「(2)」中、「@」の事実は認めるが、「A乃至C」はすべて争う。被告市教委の行為には、原告ら主張の「憲法違反・学校教育法違反・教育基本法違反・(本件)条例違反」はない。 (3)「(3)」中、「@」の事実は認めるが、「A乃至C」はすべて争う。被告市教委の行為には、原告ら主張の「憲法違反・学校教育法違反・教育基本法違反・(本件)条例違反」はない。 6、同「6」は争う。 7、同「7」のうち、本件条例第7条2項、第18条・第26条2項に原告ら主張の各規定が存在していること、枚方市情報公開・個人情報保護審査会が甲第12号証および甲第20号証の各答申をしたことはいずれも認めるが、その余は争う。 8、同「8」は争う。 被告市教委には、原告ら主張の「憲法・学校教育法・教育基本法・(本件)条例に違反する行為」はないから、そもそも、被告枚方市には、原告らに対する損害賠償責任はない。 9、同末尾の「よって」以下は争う。 被告両名の主張 1、求釈明 原告らは、「請求の趣旨」の「1」において、被告枚方市に対し、削除請求を求めているが、本件削除請求の相手方は、「被告枚方市」ではなく、「実施機関」(本件条例[甲第2号証〕第2条(2)御参照)である「被告市教委」ではないか(本件条例第18条御参照)、と思われるが、この点を明らかにされたい。 また、もし「被告枚方市」が本件削除請求の相手方であるのであれば、その根拠を明らかにされたい。 2、被告両名の主張は、次回、準備書面をもって行なう。 附属書類 1、訴訟委任状 4通 以 上 |