ソーラー電源システムの充電・放電電流の測定と表示(見える化) Ver.1.0 '11/11/12 Ver.1.1 '11/12/07 50Wソーラー電源の増設に伴う変更 Ver.2.0 '12/03/27 All rights reserved JA3OOK 中村 利和 1.充電電流や放電電流の測定 いま使用しているソーラー電源システムは、単純にソーラーパネルと充放電コントローラーと バッテリーを接続しただけであり、充放電の電流や電圧は表示できません。せいぜいテスターを 持ち出して電圧を測定するだけでした。 そこで、充放電電流の測定回路を製作し、いつでも簡単な操作で見られるようにしました。 目的は次のとおり。 ・バッテリーの充電電流や放電電流を見られること。 ・消費電流を見られること。 ・専用の電流計や電圧計を付けて、テスターを利用しなくても済むこと。 特に工夫したのは特に次の点です。 a ソーラーシステムは電圧が低いわりに電流が大きいので、配線には太い銅線を使うなどの 配慮が必要です。ヒューズでさえ電圧降下の原因になっていて、実測すると0.1V近くも 低下している場合があります。 そのため電流の測定回路の設計に当っては抵抗値が小さい測定方式が必須。 → なるべく低い抵抗値で電流を電圧として検出し、この低レベルの電圧を増幅してメ ーターを振らせる。 技術が進んだ現代の世の中にはホール効果を利用した極低抵抗の電流検出素子が市販されて いる。(例えばsparkfun社のACS712) しかし、1個千円程度以上していて今回の目的では 数個必要になるのでワタシの財布が許してくれない。資金のある方は使用してみてください。 b バッテリーへの電流が流れる方向は充電時と放電時で逆であり、これを自然な感覚で見ら れるようにしたい。 → 目盛りの中央が0のメーターを使用。右に振ればが充電、左に振れば放電であるこ とが一目瞭然。 これらのことから、 ・センサー抵抗が検出した電圧を増幅する回路は差動型とし、トランジスタ3石で構成。 差動型は+−の2電源方式なら直流も増幅でき今回の目的にピッタリ。 差動増幅回路の電源は乾電池を使用。(+VCC 単3×2本、−VCC 単3×2本) 本電源システムのバッテリーからの電源供給が理想だが、2電源を実現するには構成が 複雑になりすぎるので断念。 ・差動増幅回路を設計して組み上げ、実測するとこの回路条件だと増幅率は約50倍である。 高感度な電圧計を使用すれば電流測定用の抵抗は0.01Ω程度まで低減でき、電圧降下を 0.01V程度にできる。 ・電流測定用の抵抗をバッテリーのマイナス側に入れて増幅回路やメーターの電位もマイナ ス側にし、短絡事故の予防を期待する。 その他の注意点として、ロータリーSWの選択に当っては、隣同士の端子をローターの接点が ブリッジしない構造を選ぶこと。これは充放電コントローラーの端子間を接続しないための配慮。 電流測定回路を次の点で改善(2011/12/07)。 ・負荷2の電流も測定できるようにした ・電流計の針の方向を統一 −側:バッテリーの放電 または 電力の消費 +側:バッテリーの充電 全体の回路図は次のとおり。電流値増幅部(差動増幅)の写真。
全体の完成写真。
電流値増幅部と単三乾電池4本はアルミパネルの向こう側にあります。 2.50Wソーラー電源の増設に伴う変更 ソーラー電源が50W系と10系の2系統になったので、それに伴い電流や電圧の測定回路も 変更しました。主な変更点は次の通り。 ・50W系を主として測定する。 ・10W系はバッテリー電圧だけ測定する。 (10W系の動作状況は半年間の使用で分かったきたため) ・ソーラーパネルの容量拡大に合わせて測定可能電流の最大値を5Aとする。 全体の回路図は次のとおり。
全体の完成写真。
参考文献 1 トランジスタ回路の設計 鈴木 雅臣 第23版 2007年2月1日 CQ出版社発行 回路図は水魚堂提供の「回路図エディタ」で作図しました。感謝します。